月影塾

新隂流剣術 月影塾を主催しております、鎌田英男と申します。新隂流兵法師範井澤秀雄氏とのご縁を賜り、日々稽古研鑽に努め、深淵なる流儀の真理実相を求めてまいりました。その流れは弘流伝承の歩みとなり十年の時を刻んでまいりました。未だ流儀の深き蘊奥に触れる事叶わぬ想いではありますが、未知なる探求の可能性を心の内に秘め、新たなる縁を繋いでいきたく存じます。

新隂流

室町時代末期に突如現れた新隂流は、上州大胡の城主、上泉伊勢守信綱により創始されました。元々印可伝承流儀である神道流に、愛洲移香斎より授かった隂流の奇妙を統合し極意としました。さらにこの隂流より活人剣の思想を引き出し、日本剣術界の偉大なる改革者となるのです。

新隂流の理念は、強靱にして鋭利なる刀を以て切らないという法であり、これが新隂流の真理実相であります。

新隂流の核心は活人剣「切らない、切られない、切らせない」であり、これは剣による専守防衛を超えた、潜在的畏怖を敵より引出す、説得共鳴の理を遵守する流儀であります。

新隂流の活人剣は柳生新隂流に継承され、尾張柳生を正統とし江戸徳川三百年の太平の世を築きました。この背景には、徳川将軍家剣術指南役である柳生宗矩の偉業が隠されております。宗矩は第三代将軍徳川家光の師でもあり、与えた影響は計り知れず、その国家統治及び政治的ベースは、新隂流の活人思想によるものであります。

塾長 鎌田英男

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輪之太刀(わのたち)

輪之太刀は新隂流刀法の原理的象徴であります。身は直線に働き、太刀は球体の如く綺麗な弧を描きます。その規則的な美しい動きを太刀筋といいます。そこに懸かる者は、その太刀筋に引き込まれ排除され、塞いで崩すという現象となり、これを魔之太刀ともいいます。これは刀を切るものでなく、切れるものとする新隂流の刀法理念により生み出されたものです。これが活人剣の切らない、切られない、切らせないという意識に現ずる心法、それに随う技術に現ずる刀法を生み出す理であり、懸かる者を傷つけることなく説得共鳴に導く叡智の剣となるのです。

一ノ巻

二ノ巻

虎乱

疋田隂流猿飛